非対応パソコン[Inspiron N5010]でも[Windows11]はまともに動くのか?
Windows11が発売されてから3か月が経過した。
ネット上ではWindows11に関する情報が溢れている。
我が家には辛うじて動く1台も含めて3台のPCがあるが、何れも「PC正常性チェック」で
NGと判定された。
Windows11を使いたければ、搭載PCを購入すれば済む話なのだが、
今使っている[Inspiron 15 3567]には[Office H&B Premium]がプリインストールされており、
[Microsoft365]と同様、常に最新のOfficeが無料で使える。この特典は捨てがたい。
可能ならば[Inspiron 15 3567]を[Windows11]にアップグレードして[Office H&B Premium]を継続使用したい。
ネットや雑誌では「不適合パソコンにWindows11をインストール」する方法が幾つか紹介されている。
マイクロソフト自身もやり方を公表している。
しかし、推奨しているわけではなく
「やってもらっても結構だがサポートはしませんよ」というスタンス。
あくまで「自己責任」でということで、
❶ある日突然問題が生じたり
❷Windows Updateによる更新やドライバーのアップデートがされなくなる
リスクを伴う。
Windows11にアップグレードしても10日以内であればWindows10に戻せるようだが
出来ればそのリスクも避けたい。そこで、一気にWindows11をインストールするのではなく、
Windows11の起動用媒体(USBメモリー)を作成しそこから起動して
Windows11がどのようなものかを体感してみることにした。この方法ならNOリスクだ。
試してみた機種は、壊れても悔いのない11年前に購入した[Dell Inspiron N5010]。
【用意するもの】
❶USBメモリー32GB(外付けSSDがよりよいとのことだが残念ながら手元にない)
❷Windows11 ISOイメージ
❸フリーソフト[Rufus]
1.Windows11 ISOイメージのダウンロード
❶[ウィンドウズ 11 をダウンロード (microsoft.com)]サイトにアクセス
❷[ダウンロードWindows11ディスクイメージ(ISO)]の項で
❸[ダウンロードを選択]で=>[ウインドウズ11]を選択し=>[ダウンロード]
❹[製品の言語の選択]では[日本語]を選択し=>[確認] ❺[ダウンロード]では[64-bitダウンロード]をクリック
❻ダウンロードは(回線速度によるが)5分程度で終了(容量は約5.4GB)
❼ダウンロードが終了したら[名前を付けて保存]しておきます。
2.フリーソフト[Rufus]のダウンロード
[Rufus]を使って[Windows11 ISOイメージ]をUSBメモリーに書き込み、起動用USBを作る。
❶[Rufusのサイト]にアクセス。
❷[ダウンロード]の項で[Rufus3.17(1.3GB)]をクリック。
❸[名前を付けて保存]しておきます。
3.パーティション構成の情報を調べる
[Rufus]の設定に必要なので[パーティション構成]が[GPT]なのか[MBR]を調べる。
[エクスプローラー]を開き=>[OS]を[右クリック]=>[プロパティ]=>
[ハードウェア]タブ=>[ディスクドライブを選択]して=>[プロパティ]=>
[ボリューム]タブ=>[表示]ボタン=>[ボリューム]タブ=>[表示]ボタン
[パーティションのスタイル]で[GPT or MBR]の何れであるかを確認する。
Inspiron 15 3567のパーティション構成 |
4.[Rufus]の設定とUSBメモリーへの書き込み
❶USBメモリーを挿入
❷[Rufus]をダブルクリックして起動
❸[ユーザアカウント制御]が表示されたら[はい]
❹[選択]をクリックして保存しておいた[Windows11ディスクイメージ(ISO)]を選択
❺[パーティション構成]では先ほど調べた[GPT or MBR]の何れがを選択
❻[イメージオプション]では[Windows To Go]を選択
❼[状態]が[準備完了]になったら[スタート]をクリック
❽[バージョン選択]で[Windows11 Home]にチェックを入れ=>[OK]
❾「USBメモリーを初期化する」警告が表示されたら=>[OK]
❿USBメモリーへの書き込みが始まります。
(所要時間はDellの[Inspiron i5 3567](USB3.0)を使って約22分でした)
⓫作業が完了したら[閉じる]をクリックしてUSBメモリーを取り外します
Rufusの設定 |
5.果たして11年前のDell[Inspiron N5010]でWindows11は起動するのか?
4.で作成したUSBメモリーを使ってWindows11が起動できるか否かを試した。
試してみた機種は上表左側のDell[Inspiron N5010]
・11年間使っている機種。壊れても悔いはない
・CPU、セキュアブート、TPM2.0が非対応
・パーティション構成はMBR
以下はDell[Inspiron N5010]でのTest手順であり他機種では操作や表示などが異なるかも知れない。
❶USBメモリーを挿入
❷電源を入れ、直後に[F12]を連打
❸[boot device]の選択画面が表示されるので[USB Storage Device]を選択(↓↑キーを使う)=>[Enter]
❹[Press any key to boot from USB・・ ]と表示されたので、適当なキーを押す
(数秒以内に何かキーを押さないとWindows10が起動されてしまう)
❺「準備してます」などのメッセージが順次表示される
❻入力(選択)が必要な画面は、
①「国または地域はこれでよろしいですか?」=>[日本]=>[はい]
②「これは正しいキーボードレイアウトまたは入力方式ですか?」=>[Microsoft IME]=>[はい]
=>キーボードの選択肢はなかった
③「2つ目のキーボードレイアウトを追加しますか?」=>[スキップ]
④「ネットワークに接続しましょう」=>[ネットワークへの接続処理]
⑤「ライセンス契約をご確認ください」=>[同意]
⑥「デバイスに名前を付けましょう」=>[今はスキップ]又は[適当な名前を入力]
⑦「マイクロソフトアカウントを追加しましょう」=>[アカウントの入力]
=>マイクロソフトアカウントを持っていない場合は[作成]してください
⑧「PINを作成します」=>[ピンの作成]
⑨「PINのセットアップ」=>[PINコード]を入力=>[OK]
⑩「XXさん、では、始めましょう!」=>「新しいデバイスとして設定」=>[次へ]
⑪「デバイスのプライバシー設定の選択」=>すべて[ON]になっているので不要なものは[OFF]にし[次へ]
⑫「エクスペリエンスをカスタマイズしましょう」=>[スキップ]
⑬「One Driveを使用してファイルをバックアップ」=>取敢えず何もせず[次へ]
⑭「100作品以上の高品質のPCゲームをPC Game Passでプレイしましょう」=>[今はしない]
⑮「これには数分かかる場合があります。・・・」(表示のみ)
⑯「PCをコンセントに接続して電源を入れたままにしておいてください」(表示のみ)
⑰「順調に進行しています」(表示のみ)
❼ようやっと[Windows11]が起動。
Windows11の初期画面 |
❽2回目以降は
❹の操作と[PINコード]の入力でWindows11が起動する
6.まとめ
まだ本格的に試してみたわけではないが
❶11年前に購入したDell [Inspiron N5010]でも[Windows11]は動作する。
❷現時点では、Windows11の更新、ドライバーの更新も正常に動作する。
[設定]=>[Windows Update]を実行すると正常に更新処理が行われた。
❸トラブル?
最初の起動時のサインインで[@]や[ _ ](アンダーバー)がキーボードから入力できなかった。
これには焦ったが、[@]は[Shift]+[2],[ _ ]は[Shift]+[-]で何とか入力できた。
([ろ]キーと[円マーク]キーは反応せず)
起動直後にWindows11のメモ帳でも確認したが同じ現象がでた。
P.S.
この問題に関しては、
[設定]=>[時刻と言語]=>[言語と地域]=>[日本語]=>[…]=>[…言語のオプション]=>[キーボード]=>
[レイアウトを変更する]で[日本語キーボード(106/109キー)]を選択し=>
[今すぐ再起動]することにより解決したが、
使っている文字(記号)によっては[⑦のアカウント入力]が困難になるかも知れない。
=>Dell [Inspiron N5010]固有の問題なのか、全ての機種に共通なのかは不明。
❹本方法でUSB上に作成したWindows11は当然Win10で作成した個人データやアプリは引き継げない。
試せるのは[Edge]を始めとする[Windows11]付属のアプリのみ。
❺エクスプローラーで[PC]を見ると
Office2010はサポートが打ち切られ、ダウンロードも出来ないが
購入時に附属していたDVDから再インストールすれば使えるかもしれない(未確認)。
❻「非対応パソコン[Inspiron N5010]でもWindows11はまともに動くのか?」との問いに対しては
「まともかどうかは微妙だが動作することは間違いない」。
セキュアブートが[〇]のDell [Inspiron 15 3567]はUSBから起動するやり方(設定方法)が異なる。