2022年11月6日日曜日

仏(?)の使い


仏(?)の使い

先に、神社には「神の使い(神使)」とされる動物がいることを紹介した。

神の使い(神使)がいるのであれば、仏の使い(仏使?)がいても不思議ではない。
数は少ないが、これまで訪問したお寺で見かけた[仏使?]を紹介。

【羊(ひつじ)】(法輪寺京都市西京区嵐山虚空蔵山町16)
「十三参り」「針供養」・・、京都人なら知らない人はいないだろう、嵐山の「法輪寺」。
法輪寺のご本尊は「虚空蔵菩薩」。「羊」は「虚空蔵菩薩の使い」だと言われている
境内には、穏やかで優しい表情の羊が鎮座している。
虚空蔵菩薩が背中で休まれるために伏した姿をしているのだそうだ。
撫でると知恵を授かるとのこと。

由緒書きがないので確かなことは分からないが、
「虚空蔵菩薩は羊に姿を変えた」という話があるようです。

本堂前には、神社にある狛犬のようなものが鎮座しています。

右側は「虎」、左側は「牛」。
これは、虚空蔵菩薩が牛年と寅年生まれの守り本尊であることから来ているようです。
【ご参考】干支別の守り本尊(本資料は法輪寺とは別の場所で撮影したものです) 

法輪寺 本堂

法輪寺 由緒

なお、境内右手には、渡月橋をはじめ京都市内を一望できる大きな舞台(見晴台)があります。
参拝が終わったら是非立ち寄りたい隠れスポットです(入場無料)。
舞台(見晴台)から望む渡月橋

舞台(見晴台)入口
[毘沙門天]、元々はインドの神さんで、中国経由で日本に入ってきて「毘沙門天」と呼ばれるようになったんだとか。
神さんなのか仏さんなのか判然としないが寺院の中にいらっしゃるので取り敢えず仏さんと言うことで。
毘沙門天堂前には狛虎、香炉の縁にも虎さんが。
香炉側面に注目。毘沙門天はムカデにも縁がある?
 
香炉側面に注目。毘沙門天はムカデにも縁がある?


毘沙門天と虎との関係は、信貴山朝護孫子寺や鞍馬寺の縁起によると
聖徳太子や鑑真和上の高弟・鑑禎上人らが、毘沙門天に助けられたのが
寅年寅日寅刻だった」ので、これに因んで「」が神使(仏使?)とされているようだ。

鞍馬寺にも立派な狛虎がいるらしい。
鞍馬寺には数回行ったことがあるが、当時は狛Xには全く関心がなかったので写真はない。

[猪]といえば、和気清麻呂公命と和気広虫姫命の姉弟神を祭神とする[護王神社]の[神使]として有名だが、
[摩利支天]も[猪]に所縁があるそうだ。
[建仁寺 禅居庵 摩利支天堂]には、所謂「狛猪」形式の猪が彼方此方に鎮座している。


[摩利支天]もルーツはインド。通説では、
「摩利支天の素早く疾駆するさまをイノシシに喩えた」ということらしいのだが、
詳しいことはよく分からない。画や像には[猪]に乗ったものが多くみられる。           


なお、[猪]は[本法寺 大摩利支尊天](京都市上京区相国寺門前町)]などでも見ることが出来るようです。

狛犬といえば大抵「獅子」の姿をしたものが多いが、即成院には所謂「犬」の姿をした狛犬がいる。
境内の「弘法大師(空海)御修行像」の前に鎮座している。
普通は阿吽型で配置されているが、ここでは何故か吽阿型となっている。
 「犬」が弘法大師の使いなのかどうかは不明だが、こんな話があるそうです。
 修行のため唐にわたっていた弘法大師は帰国時に仏具の三鈷杵を日本に向かって投げた。
 帰国後、密教を広めるための適地を探していたところ、奈良の山中で2匹の犬を連れた猟師に出会う。
 適地を訪ねると「場所を知っているのでこの犬に案内させる」といい、
 大師は二匹の犬に導かれるままに進んだ。
 途中、今度は山人に出会い、三鈷杵の話をすると
「南の方にある平原があなたが探している適地だ」という。
 平原に辿り着くと松の木に光り輝く三鈷杵が引っ掛かっていた。
 大師は、その場所(高野山)を密教布教と修行の地とした。       
 

那須与一の墓

 なお、即成院は由緒書にもある通り、弓の名手「那須与一」と所縁の深いお寺だそうです。

 天寧寺(てんねいじ)は曹洞宗の寺院だ。「仏使」とは関係ないと思われるが
 境内に諫鼓鶏(かんこどり)と呼ばれる「鶏」が一羽、太鼓の上に鎮座している。
下の丸い部分が諫鼓(かんこ)
下の丸い部分が諫鼓(かんこ)

諫鼓(かんこ)とは太鼓のことで
諫鼓鶏(かんこどり)は諫鼓苔深くして鳥驚かず」という漢詩に由来しているそうだ。
中国の伝説上の君主、尭(ぎょう)王の時代、
民がその施策について諫言(かんげん)しようとする際に打ち鳴らすために、
朝廷の門外に太鼓を設け、これを諫鼓(かんこ)と呼んだ。
しかし、君主は善政を行ったので太鼓は鳴らされることなく、
永年の間に苔むして、鶏の恰好の遊びに場となった。
という言い伝えがあるそうで、「天下泰平」のシンボルだそうだ。

また、天寧寺の山門は、
比叡山の眺望があたかも額に入れた絵のように見えることから「額縁門」として有名だ。
後方に見える山は比叡山

後方に見える山は比叡山

後方に見える山は比叡山


順次追加予定。乞うご期待。