2017年3月5日日曜日

「嵐山」の「蔵王大権現」

「嵐山」の「蔵王大権現」

「嵐山」に「蔵王大権現」が祀られているのをご存知でしたか?
対岸(左岸)から、「嵐山」の裾を眺めていると、何やら鳥居のようなものが目に止まり、
早速行ってみました。

「嵐山」の「蔵王大権現」は、桂川右岸、渡月橋から西へ200mほど行ったところにありました。
狭い道路の脇にひっそりと鳥居が佇んでいます。川の景色に気を取られていると見逃してしまいます。
鳥居から蔵王堂に続くと思われる参道(?)が見えますが、かなり荒れている様子で危険そう。
鳥居の前で参拝。



 「蔵王権現」は、7世紀頃の修験者「役行者」(正式名は[役小角(えんのおづぬ])」)が
奈良県の大峰山系の山上ケ岳(1,719m)山頂で厳しい修行の末に感得したと言われる
忿怒の形相の神で修験道の守護尊。インドや中国起源の神でなく日本独自の尊像だそうです。
(権現とは「権(かり)の姿で現れた神仏」の意味とのこと)

「役行者」が開山したと伝わる修験の山は全国あちこちにあります(京都の愛宕山(924m)もその一つです)が、
「嵐山」は山岳修行をするような険しい山だとは思えません。
なぜ「嵐山」に「蔵王権現」が祀られているのでしょうか?。
次の5つからお選び下さい。
 1.役行者が開山した?
 2.後嵯峨上皇が嵐山の対岸の仙洞御所に吉野の桜を移したとき同時に勧請した?
 3.室町時代に作られた能の演目に「嵐山」というのがある。
    そこには、「木(子?)守の神」、「勝手の神」、「蔵王権現」が登場する。これを具現化した?
 4.愛宕山の「愛宕大権現」の向こうを張った?
 5. ?


「嵐山」の北西には「山上ケ峰(482.2m)」と呼ばれる山もあります。
以前登った時は、山名の由来など気にもしていなかったのですが、名前の類似性からヒョットしたら
「役行者が修行したという奈良県の「山上ヶ」を模して命名した?」
とも思われ、謎は深まるばかりです。是非、由緒書きを設置して欲しいものです。
(「山上ケ峰」については別項「嵐山(382m),松尾山(275.6m),烏ケ岳(398m),三上ケ峰(482.2m) 登山」を参照)
山上ケ峰(482.2m) 山頂標識
 「役行者」は市内のあちこちの神社にも祀られています。
また南区には「蔵王権現」や「役行者」を祀る「蔵王堂(光福寺)」があり、
子守大明神、勝手大明神なども祀られています。
関心のある方は是非お訪ね下さい。

早尾大明神
猿田彦神社
五社神社

 蔵王堂光福寺

関連雑学

1.宮城県と山形県に跨る蔵王連峰(蔵王山)は、吉野から蔵王権現が勧請され、
  平安時代には修験者が修行するようになったことから「蔵王山と呼ばれるようになった」
  とも言われています。
2.毎年11月に行われる「嵐山もみじ祭り」は、嵐山や小倉山のもみじの美しさを讃え、
  辺り一帯を守護する「蔵王権現」に感謝する行事だそうです。
3.その後、ネットで調べると「嵐山国有林について - 林野庁 - 農林水産省」という資料があった。
  それによると、クイズの正解はどうやら[2]のようだ。
ご参考までに。

【おまけ1】
サービスショットをどうぞ。
嵐山の夕暮れ (蔵王大権現鳥居前から比叡山方面を望む)

蔵王堂 (嵐山山腹)
【おまけ2】
役行者は祇園祭(後祭)の山鉾巡行にも登場します。