2017年11月26日日曜日

石室を見ることが出来る古墳

石室を見ることが出来る古墳


今月は何故か「古墳」づいた月だ。

立て続けに、狐塚古墳(右京区)西芳寺川古墳群(西京区)甲塚古墳(右京区)大枝山古墳群(西京区)
を見学する機会を得た。何れも「石室を見ることが出来る古墳(群)」だ。

市内に古墳は沢山あるが「石室を見ることが出来る古墳」はそう多くない。
以前に探訪したところも含め今までに見学した「石室を見ることが出来る古墳」をまとめて紹介。
(特別公開時にしか見学出来ないところもあるので見逃さないこと)

「石室を見ることが出来る古墳」の代表格は、文句なしに「蛇塚古墳」だろう。
住宅街の中に忽然と姿を現す剥き出しの石室、圧巻だ。
蛇塚古墳 外観
1.蛇塚古墳()  (常時)
 蛇塚古墳は住宅街の中にある。見るものを圧倒する景観だ。
 本来は全長75mほどの前方後円墳だったようだが、墳丘の盛り土は残っておらず
 今は石室のみが剥き出しになっている。
 玄室の幅は飛鳥の石舞台古墳より大きく床面積は全国4位だそうだ。
 常時は施錠され中に入ることはできないが「史跡蛇塚保存委員」の方にお願いすれば、
 開錠していただけるようだ。頭の下がる思いです。
 (この時は偶々見学に来ていたグループの方と一緒に見学させていただいた)
案内板
史跡に指定されている
前面より
後方より①
後方より②
石室 内部①
石室 内部②
石室 内部③
史跡蛇塚保存委員

2.甲(かぶと)塚古墳(右京区嵯峨甲塚町) (常時)
 甲(かぶと)塚古墳は、山下植樹園さんの私邸敷地の中にあります。円墳。
 私有地なので「許可をいただいた」上で見学させていただきました。
 (ご親切にも古墳の傍まで案内していただきました。感謝申し上げます)
 古墳の周りをぐるりと一周すると円墳であることが実感できます。
入口付近
石室入口①
石室入口②
石室
石室 奥
後方より

3.天塚古墳(
) (常時)
 
天塚古墳も住宅街の中にある。古墳には「白清稲荷大神」が祀られている。前方後円墳。
 石室は珍しく2つある。ひとつは建屋の中から入るようになっており内部は見えない。
 柵越しにパチリ。
案内板
白清稲荷大神が祀られています
墳頂
石室①
石室① 内部
石室②

 4. 狐塚古墳(
) (常時)
 
「大覚寺門前」の交差点から府道29号線を東へ300mほど行った右手竹藪の中にある。円墳。
 鉄格子越しにパチリ。
概観
墳頂
石室入り口付近
入口部拡大
石室
石室 奥
5.八幡宮古墳(西京区大原野石作町)  (常時)
 「え!こんなところに?」と思うところに石室があります。
 本殿右側の土台の石垣に穴が開いています。石室の開口部です。
 また、左手の小高いところに小さな社が2つ祀られています。ここも古墳?
八幡宮
本殿
石垣に穴が開いています
開口部
石室手前
石室奥①
石室奥②
小さい社が2つ祀られています
晩秋の趣

6.勝持寺古墳(
 有名な花の寺(勝持寺)の手前にある「宝菩提院願徳寺」前の駐車場右手のスロープの途中の茂みに
開口部が少し見える(腰を屈めて探してみてください)。円墳。
裏手に回って林の中から見ると円墳だと分かります。
「宝菩提院願徳寺」前の駐車場
羨道が露出
開口部
開口部
石室内部①
石室内部②
開口部を上から
墳頂
後方より
7. カラネガ岳1号墳(長岡京市粟生から子ケ岳) (常時)
 紅葉で有名な光明寺の西500mの丘陵上にあります。
「Google Map」にも記載されておらず、場所が分かりにくいので少し解説しておきます。
光明寺の門前の府道10号線(丹波街道)を北に100mほど行ったところの左手に細い道があります。
コンクリートで簡易舗装されたその道に入り竹林の中を進みます。
「儀仗池」を抜け結構きつい坂道を登ったところの三叉路の角に作業小屋があります。
この小屋の陰に隠れるように石室の開口部があります。
カラネガ岳1号墳 概略位置図 
作業小屋
作業小屋の右手に開口部が見える
開口部
石室
石室
石室

ご参考:
儀仗池の歴史及びカラネガ岳古墳の位置図は「ふるさとファイル 西山ため池物語 ~今谷池(議定池)、放生池~
(展示コーナーだより 第36号 平成20年10月 長岡京市生涯学習課文化財係)に詳しく紹介されている。 

8.下西代2号墳( (常時)
 大原野地区の圃場整備事業中に水田の下から2基の埋没古墳が発見された。
そのうち2号墳の横穴式石室が、玄室の中にさらに小石室が設けられた珍しい形態であったために
移築復元され「大原野 古墳公園」となっている。円墳。

案内板もあるにはあるが消えかかっていてよく読み取れない。
(詳しくは「下西代古墳群発掘調査現地説明会資料」を参照してください)
大原野 古墳公園
石室
石室奥
石室内石室
側面から
案内板

9.福西古墳群() (常時)
 福西古墳群は22基ほどあったようだ。洛西ニュータウンの開発時に、11基の発掘調査が行われ
内2基が「福西遺跡公園」として保存されている。共に円墳。
福西遺跡公園(福西古墳群)
福西遺跡公園
古墳は階段を上がったところに
案内板
左:福西7号墳,右:福西10号墳
案内板
福西7号墳
福西10号墳
福西10号墳

上記以外にも以下の場所で石室のある古墳を見ることが出来ます。ご参照下さい。
(西芳寺川古墳群、松尾山古墳群は常時見ることが出来ます)
どの古墳(群)も「一見の価値あり」のおすすめです。

10. 大枝山古墳群 (春・秋の年2回公開) (桂坂古墳の森保存会)
  公開時、3基の石室内部の見学が出来ます。
  近所の歴史探訪~「大枝山古墳群」編~をご覧ください。

  令和5年(2023年) 「秋の特別公開」は、
 11月26日(日) 10:00~16:00(入場は15:30まで)
  お見逃しなく。  

11.物集女車塚古墳 (春(5月下旬)公開(問い合わせ先:向日市文化財調査事務所)
  公開時、石室内部の見学が出来ます。石室内の石棺を見たのはここだけ。

12. 西芳寺川古墳群 (常時)
をご覧ください。

13.松尾山古墳群 (常時) 京都一周トレイル 西山コース沿い
 数多くの石室を見ることが出来ます。
 ①近所の歴史探訪~「松尾山古墳群」編~
 ②近所の歴史探訪~「松尾山古墳群(その2)」編~
 ③松尾山・西芳寺川古墳群 探訪マップ
をご覧ください。

【ご参考】
京都市遺跡地図提供システム」で古墳を含む遺跡の場所(位置)を調べることが出来ます。

石棺を間近で見たい方にお勧め
石室内の石棺は「物集女車塚古墳」で見ることが出来ますが、
石棺だけを間近で見たい方は「光明寺」をお訪ねください。
御影堂の右手に「圓光大師御石棺」があります。
この石棺から「光明」が?

「光明寺」名前の由来

古墳シリーズ