2019年9月22日日曜日

近所の歴史探訪~「松尾山古墳群(その2)」編~

近所の歴史探訪~「松尾山古墳群(その2)」編~


少し前に「京都一周トレイル 西山コース」をトレッキングしながらコース沿いに散在する
「松尾山古墳群」の古墳探し(近所の歴史探訪~「松尾山古墳群」編~)をした。が、
行った時期が最悪。危険な暑さのなか、幾つかの古墳を見つけることは出来たが、
じっくり探訪することはままならず悔いが残った。

今回は範囲を「松尾山山頂周辺」に限定し再度探訪してみた。
山頂までのコースは「近所の歴史探訪~「松尾山古墳群」編~」と同じ。

京都市遺跡地図提供システム」によると、
松尾山古墳群は更にA~Gの支群(グループ)に細分化されている。
今回は「松尾山山頂周辺」のE支群とD支群が探索範囲だ。
(途中、A支群にも立ち寄る)
古墳の位置は可能な限り「京都一周トレイル 西山コース」の案内板を目安にした。
(なお古墳名は「京都市遺跡地図提供システム」による)

【A支群】
【A支群 A号墳】
登山口(西山26)からしばらく上ると尾根筋に出る。少し行くと緩やかな場所に出る。
「西山トレイル30」からほんの少し先、山道の左側のシダの中を10mほど入った所に天井石が露出している。
シダに覆われていて見つけにくいが、目を凝らせば山道からも辛うじて見える。
西山30
西山30の少し先左手のシダ中
A号墳
A号墳
A号墳
A号墳
【E支群】
E支群は松尾山山頂付近の南側に点在している。
京都市遺跡地図提供システム」によると全部で8基あるようだが、
「「松尾山の群集墳」丸川義広(『京都市埋蔵文化財研究所 研究紀要』 第4号 1998)」によれば、
天井石や石室を見ることが出来るものは5基のようだ。
この内、E-2とE-3は既に探訪済みだ(「近所の歴史探訪~「松尾山古墳群」編~」参照)。
(下の図は西山トレイル道標と古墳のおおよその位置関係を示したものであり位置/距離などは正確ではない)

「西山32」の四辻の中央の道を進み探索を開始。

【E支群 E8号墳】
 「西山32」から80mほど行くと左側に市内がよく見え、山側の雑木林が粗で少し明るい場所がある。
「E支群 E8号墳」は、山側に5mほど登ったところにあった。
 但し、倒木に覆われており中々見つけにくい(倒木の下辺りを根気よく探すこと)。
左手に市内が見える
丸印あたり
E-8号墳
E-8号墳 開口部
E-8号墳 石室内部
E-8号墳 石室内部
【E支群 E7号墳】
「E支群 E8号墳」から(山頂に向かって)斜め上方向に登ると「E支群 E7号墳」がある。
 天井石のない石室奥壁部分が露出している。
「E支群 E6号墳」から斜め右手を方向に登ってもよい。「西山36」からも行くことが出来る。
E7号墳
E7号墳
E7号墳 石室の奥壁付近

【E支群 E6号墳】
「西山37」の20mほど手前の山道右手(山側)に「E支群 E6号墳」がある。
「E支群 E8号墳」からは15mほど先になる。
木の陰に隠れて山道からは見えないので山道右手を2mほど登る。
西山37
西山37手前の斜面を少し登る
E6号墳
E6号墳 開口部
E6号墳 内部
E6号墳 内部

【E支群 E3号墳】
「西山36」の10mほど手前右側のシダの中へ5mほど入ると【E3号墳】の開口部が見える。
E3号墳
E3号墳
E3号墳 石室内部
【西山36の道標とE3号墳/E7号墳の位置関係】
 ①「西山36」の道標に向かって右手斜め下を見下ろすと【E3号墳】の天井石が見える。
 ②「西山36」の道標正面を20mほど進むと【E7号墳】だ。
①西山36とE3号墳の位置関係
②西山36とE7号墳の位置関係

【E支群 E2号墳】
「西山36」を左に曲がり更に右に曲がって少し登ると山道の左脇に【E支群 E2号墳】の開口部が見える。
うつむき加減に山道をゆっくり歩いていくと直ぐに見つかる。
E2号墳 山道左脇
E2号墳
E2号墳 石室内部

【E支群まとめ(西山32=>松尾山山頂方向)】
古墳名 開口部など 石室内部など 概略位置など
E-8
「西山32」から中央の道を80mほど行く。
山側の雑木林が少し開けたところから5mほど登る。

倒木に隠れて見つけにくい。
E-7 ①「E8号墳」の斜め上方へ登る。
  (山頂に向かって左手)
②「E6号墳」の斜め右手へ登る。
  (山頂に向かって右手)
③または「西山36」正面方向へ20mほど先。
天井石のない石室奥壁付近が
露出している。
E-6 西山37」の20mほど手前の山道右手(山側)。
山道からは見えないので山道右手の斜面を2mほど登る。
E-3 「西山36」の10mほど手前右側
のシダの中へ5mほど入る
E-2
「西山36」を左に曲がり少し先
で右に曲がって少し上がると
山道脇(左側)に開口部が見える。
山道左側を注意しながら登れば
必ず見つかる。


【D支群】
  D支群へは「西山32」から苔寺方面に下り、下り坂の山道を進む。
「西山38」の手前20mほどの左手上に【D支群 D5号墳】があり、天井石が露出している。
 【D支群 D5号墳】
西山38
西山38の手前 D5号墳
D5号墳
D5号墳
D5号墳
【D支群 D3/D2/D1号墳】
D5号墳手前の山道反対側(右側)の斜面にはD支群(手前から順にD3,D2,D1)の古墳がある。
一番奥のD1号墳は木に囲まれて前からは見えないので後ろに廻り込むこと。
西山38とD支群の位置関係
D3古墳(手前),D2古墳(奥)

D3号墳
D3号墳
D3号墳
D2号墳
D2号墳
D2号墳
D1号墳
D1号墳
D1号墳

【あとがき】

古墳の位置は、山道の「京都一周トレイル 西山コース」の案内板との位置関係で表現してみた。
十分ではないと思われるが参考になれば幸いだ。

探索中に多くの登山者に出会った。
知ってか知らずか将又興味がないのか、足元に古墳開口部が見えているのに足早に通り過ぎる。
勿体ない話だ(と思う)。

猛暑も過ぎこれからは行楽の季節。
「京都一周トレイル 西山コース」は、単にトレッキングを楽しむだけでなく古墳探しも楽しめる
素晴らしいコースだ。是非ご堪能あれ。
さてあなたは幾つの古墳を見つけることが出来るのでしょうか
(松尾山・西芳寺川古墳群 マップも参考にしてください)


【おまけ】
 「西山32」で休憩中にキツツキ(?)を見かけた(手振れあり)。

古墳シリーズ