2019年8月2日金曜日

近所の歴史探訪~「松尾山古墳群」編~

 近所の歴史探訪~「松尾山古墳群」編~


「百舌鳥・古市古墳群」が世界文化遺産に登録された。古墳ブームの到来が予感される。

近所の古墳(「京都市右京区・西京区 向日市 長岡京市)の古墳」)、目ぼしいところにはほぼ足を運んだが、
「松尾山古墳群」には行ったことがなかった。
「松尾山古墳群」は、
松尾大社の裏山の松尾山から苔寺(西芳寺)に至る尾根筋にある「京都一周トレイル 西山コース」沿いに
散在しているらしい。トレッキングを楽しみながら、古墳探しをしてみることに。

「松尾学区古墳・史跡地図」によると「松尾山古墳群」には45基の古墳がある。
また「京都市遺跡地図提供システム」によると、
松尾山古墳群は更にA~Gの支群(グループ)に細分化されている。
京都市遺跡地図」からA~G支群(グループ)部分を印刷しこれを頼りに、いざ出陣。
松尾学区古墳・史跡地図


松尾山古墳群 A~Gグループ概略位置図


阪急「嵐山駅」から出発。駅前の道を左に進み三叉路(西山25)を左に。
南に50mほど下がると「京都一周トレイル西山26」がある。ここから松尾山に向け登山開始。
三叉路 西山25
登山口 西山26
(古墳の名称は、京都市遺跡地図による)
A支群(1基):
尾根筋に出て、少し行くと緩やかな場所に出る。地図によるとその東側(左手)にあるはずなのだが発見できず。
(後日発見した。 近所の歴史探訪~「松尾山古墳群(その2)」編~ 参照)

E群(8基):
さらに登っていくと、途中道が三方向に分かれる休憩場所がある(京都一周トレイル西山32)。
北の展望が少し開けており愛宕山や曼荼羅山(まんだらやま)の「大文字鳥居形松明」がよく見える。
中央の道を登っていくと山頂手前の山道脇(左側)にポッカリ開いた開口部を発見。
地図のE2号墳か?。カメラを突っ込んでパチリ。
地図を見ると少し戻った左手(登りの時は右手)にE3号墳?があるようなので探索。
シダをかき分け山道から10mほど入ったところに開口部を発見。
カメラを突っ込んで石室内部をパチリ。
京都一周トレイル 西山32
左:西芳寺へ,中央/右:松尾山へ
愛宕山と大文字「鳥居形松明」
ポッカリ開いた開口部(E2号墳?)
(E2号墳?)内部
開口部(E3号墳?)
(E3号墳?)内部
松尾山 山頂からの展望
松尾山三角点(276.1m)
その後、山道に沿って彼方此方探してみたがこの2基以外は発見できず、松尾山へ登って昼食Time。
この日はやけに暑く用意した500mlのペットボトル2本のうち1本が既に空に。 
来る時期を間違えた。とほほ・・・。
(後日、山頂付近で更に3基を発見。近所の歴史探訪~「松尾山古墳群(その2)」編~ 参照)

D群(5基):
暫し頂上にて休息。その後「京都一周トレイル西山32」に戻り、西芳寺(苔寺)方向に進路を取る。
南方向の急な下り坂を下ると山道が掘割のようになっているところがあった。
「ひょっとしたら・・・」と思い右手(西側)に登るとありましたありました、天井石と思われる岩がごろごろ。
石室内は暗くてよく見えないのでフラッシュを焚いて撮影。
後でD3号墳?の写真を見て気が付いたのだが、石室奥にシール状のものが張られている。調査時のものか?。
(後日、更に2基発見。近所の歴史探訪~「松尾山古墳群(その2)」編~ 参照)
(D3号墳?) 開口部
(D3号墳?) 内部
(D3号墳?) 石室奥拡大
シールのようなものが・・
(D2号墳?) 開口部
(D2号墳?) 内部
(D2号墳?)
B群(2基):
B支群はD支群から下り再び登った尾根上にある。
古墳の上を山道が通っている。見落とすことは先ずないだろう。
B1号墳
長い石室だが崩壊が進み内部は埋まっている。
B2号墳
B1号墳から200mほど先にあります。

C群(12基):
地図によるとC群は「京都一周トレイル西山43」と麓の月読神社のほぼ中間に位置するところにある。
「京都一周トレイル西山43」から東方向へ下る道が見えるが[Keep Out]のテープが張られている。
案内板でも[------✖]となっている。道が荒れているのだろう。
「君子危うきに近寄らず」、立ち入らない方が無難だ。
C群には12基の古墳があるようだが、残念ながらここはPass。

【View Point】
「京都一周トレイル西山43」の少し先に市内を一望できるビューポイントがある。

G群(3基):
地図によると「京都一周トレイル西山43」から尾根筋を進み少し下った左手(東側)のシダの中にあるようだ。
しかし疲労もピークに達しておりシダの中に分け入る気力もなく山道から眺めるのが精一杯。
で、ほぼスルー状態。

【神ヶ谷古墳】
トレイル最後の下り、ゴール手前左手の竹林の中に「神ヶ谷古墳」がある。
山道から開口部を確認できる(柵で囲まれており中には入れない)。
被葬者は子供のようだ。
(神ヶ谷古墳は松尾山古墳群ではなく、西芳寺川古墳群に分類されている)


【京都一周トレイル 西山コースの終点 西山51】
「京都一周トレイル西山51」が終点。
 ゲートを抜け、西芳寺川林道を先に進むと「西芳寺川古墳群」を見ることが出来ます。
ここに下りてきます

ゴール  京都一周トレイル西山51

ゲート(西芳寺川林道始点)

【あとがき】
トレッキングを楽しみながら、古墳探しを楽しむはずだった。
しかし、異様な暑さ、まさに危険な暑さで楽しむ余裕はほぼZero。行く時期を間違えた。
肝心の古墳、幾つか見るには見たが、全てを見つけることは出来なかった。

京都市遺跡地図提供システム」は1/2500の地図で精度はいいはずなのだが、
素人にとってピンポイントで場所を特定することはなかなか難しい。
まして、シダの中に隠れた古墳を見つけ出すことは一筋縄では行かない。
より具体的な目標物(例えばトレイル案内板)との位置関係を明示した情報があれば・・。
西芳寺川古墳群のように現地に案内板などを設置していただけると有難い。
更にC支群へのルートも整備していただけるとなお有難い。

北の嵐山から南の西芳寺(苔寺)に抜ける「京都一周トレイル西山コース」は
単にトレッキングを楽しむだけでなく古墳見学(探訪)も楽しめる素晴らしいコースだ
(但し、真夏は避けた方が無難)
案内板などが更に充実されれば「百舌鳥・古市古墳群」にも負けない人気スポットになること間違いなし。

P.S.
その後、もう一度松尾山山頂付近を訪ねてみた(近所の歴史探訪~「松尾山古墳群(その2)」編~)。が、
京都市遺跡地図提供システム」に記載されている全ての古墳を見つけることは出来なかった。残念。
松尾山山頂付近の古墳(近所の歴史探訪~「松尾山古墳群(その2)」編~ 参照)



これから松尾山・西芳寺川古墳群を訪ねてみようとお考えの貴兄のために
今まで探訪した古墳の概略位置図を「松尾山・西芳寺川古墳群 探訪マップ」にまとめてみました。
マップを片手にトレッキングと古墳探しをお楽しみください。

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