2020年10月11日日曜日

近所の歴史探訪(古墳探し)~「丸尾古墳? 磐座?」編~

 近所の歴史探訪(古墳探し)~「丸尾古墳? 磐座?」編~

 
古墳の現況として「完存,半壊,全壊,消滅」などと分類されていることが多い。
詳しい分類基準は分からないが、例えば「全壊」と「消滅」はどう違うのだろう?
家で言えば、[全て壊れた状態]が「全壊」で、[全壊したものを撤去し更地にしたもの]が「消滅」?
古墳探訪の対象は「完存」と「半壊」だが、素人にとってこの区分ももう一つよくわからない。
 
たまたま公益財団法人京都市埋蔵文化財研究所のHPを見ていて、
現地説明会の開催」というページを見つけた。
大原野の圃場整備工事中に発見された下西代古墳2基の現地説明会用の資料だ。
(下西代古墳については「石室を見ることが出来る古墳」をご参照あれ)
その資料中の「大原野の遺跡一覧」に
「丸尾古墳:西京区大原野石作町に古墳時代後期の棚田上に横穴式石室が1基完存
 という記述があった。
 素人は「完存」という言葉に弱い。しかも「石室」だ。早速行ってみることに。
大凡の場所は京都市遺跡地図提供システムを使えばすぐに分かる。
 
【行程】
府道733号(柚原向日線) をひたすら西へ=>
①八幡宮社(長峰八幡宮)の手前の三叉路を左(灰方)へ=>
②大原野クリニックの先の三叉路を右へ=>両脇に棚田を見ながら一路目的地へ=>
③途中の三叉路は右方向へ=>
④最後に右に大きく曲がったドン付きが目的地だ。
ルートマップ

①左方向へ(右は金蔵寺方面)
②右方向へ
③右方向へ
【探索】
「丸尾古墳」は、ガードレールが途切れた辺りから右側の畦道(?)を
20m~25mほど行ったところの左側にあるはずである。
そこは見た目少しこんもりとしてそれらしいが、散々探してみたが石室らしきものは見つからなかった。
(ひょっとして、調査後埋め戻された? この辺が素人の悲しさである)
④目的地
畦道
この辺りの左側
別の場所かもしれないと思い今度は丘陵の裾にそって左手の竹林(竹藪)の中へ。
そのまま数十m進むと石が積み上げられたところにでた。
一見して自然のものではないことは分かるが、この石積みが「横穴式石室」?
どうも違う。
石組みに行く途中に明らかに人工的に作られたい石垣状のものがあり、
その延長線上にある積み上げられた石も棚田保全用の石垣の一部なのだろう?。
「丸尾古墳の『完存する横穴式石室』」はいずこ。
裾に沿って左へ
石垣状のもの
上部から
手前側から
奥側から
【磐座か?】
 上記資料に「磐座か?」という項があり「石作町の棚田に、高さ2m以上の巨石確認」とある。
京都市遺跡地図提供システムには掲載されていないが、近くのようなので行ってみた。
磐座?は先ほどの道を少し先に行ったところにある「天空農園」東側の棚田の中にあった。 
「高さ2m以上の巨石」 で間違いないが、磐座かどうかは不明。
棚田の中に磐座?
 
【おまけ】
現地の標高は60mほど。京都市南部の展望良し
 
【八幡宮(長峰八幡宮)古墳】
折角なので、久しぶりに八幡宮古墳に立ち寄ってから帰路につくことにした。
八幡宮(長峰八幡宮)は、①の三叉路を右に行って直ぐのところにある。
八幡宮古墳は1~3の3基あったようで2号墳は全壊、3号墳は半壊だそうだ。
1号墳は本殿の下にある。本殿右側の石垣にポカリと穴が開いており、そこから石室が覗ける。
カメラを突っ込んでパチリ。
本殿下の石垣に穴が
穴の拡大(開口部)
1号墳石室内部

古墳シリーズ